フィギュアスケート愛(eye) 本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。
バックナンバーを見る>>> 初日公演において「マスカレイド」を演じた羽生選手。儚さ、美しさを身に纏いつつも、激しさ、強さを今まで以上に表現し、圧倒的な存在感を見せてくれました。写真/YUTAKA/アフロスポーツ元気に登場した座長・羽生選手の姿に
オープニングから会場は揺れんばかり!
2019年5月24日。超満員の幕張メッセのイベントホールは、開演前から熱気に包まれていました。
3月20日〜24日まで開かれた2019世界フィギュアスケート選手権から2か月。3年連続の座長として「ファンタジー・オン・アイス2019」に帰ってきた羽生結弦選手の姿が、氷上のセンターにありました。誰もが心配でドキドキしていたのは、2018年11月のロシア杯で痛め、完治しきれていない右足の状態だったのではないでしょうか?
でも、その不安を吹き消すようにオープニングで、綺麗な4回転トウループを披露してくれました! そのときの大歓声たるや、大げさではなく会場が揺れていました。
カナダ・トロントに練習の本拠地を置いている羽生選手にとって、ここ数年「ファンタジー・オン・アイス」は、再会を待ちわびるファンの方々の前で、フィギュアスケートを楽しんでいる姿を見せられるホームアイスショーともいえる特別な場になっています。
今回のショーも、羽生選手が敬愛するエフゲニー・プルシェンコさんやジョニー・ウィアさん、ステファン・ランビエルさんといった常連のレジェンドスケーターをはじめ、2019年1月に競技から引退したハビエル・フェルナンデスさん、最強のロシア女子軍団、アリーナ・ザギトワ選手、エフゲニア・メドベージェワ選手、エリザベータ・トゥクタミシェワ選手に、宮原知子選手や紀平梨花選手まで揃った、豪華なキャスティング!
しかも、スケーターとのコラボレーションが毎回楽しみなゲストアーティストとして、今回はToshl(X JAPAN)が登場。盛り上がらないわけがありません。オープニングからフィナーレまで見どころ満載ですが、中でも特に印象深かったスケーターとそのプログラムを演技順に3つ、厳選して振り返ってみます。