炭火割烹 白坂
「鮪と雲丹の冷製」は、まぐろとうにの上に、うずらの卵黄、クラッカー、だしのジュレ、キャビアをのせた定番料理。全体を混ぜて。剛の技、柔の発想によるクリエイションにときめく
静かな裏通りから、さらに奥まった場所に佇む「炭火割烹 白坂」。坪庭のしっとりした趣とオープンキッチンの活気が調和した店内は、どこか海外のレストランを思わせる雰囲気です。
高温の炭火で和牛イチボを焼く井伊秀樹さん。炭は脂のある食材と相性がいいそう。そんな独特の世界観をつくる井伊秀樹さんは、シドニーの有名店で修業後、ニューヨークで国連大使の専属料理人を務めた経歴の持ち主。そのため、9品前後のコースには、西洋の食材や技が自由な発想で取り入れられています。
手前は「太刀魚の炭火焼」。奥は「和牛イチボの炭火焼」。例えば「太刀魚の炭火焼」は、根セロリのピュレとジロール茸のソテーを添え、バターポン酢をかけたもの。日本酒にもワインにも寄り添う味は、東京在住の外国人も魅了しています。
コースの終盤には、和牛の炭火焼きも登場。あらかじめだしで火を入れたイチボは、炭で焼く際に落ちる脂で燻され、とろけるようにジューシーです。
土鍋ご飯の一例。さんまの塩焼きにかけられたソースは、酒蒸しして裏ごしした肝を玉味噌やしょうが汁、たまり醬油とあえたもの。古民家を改築し、5年前にオープン。露地を抜けて店内に入ると、オープンキッチンを囲む10席のカウンターが現れる。井伊さんをはじめ、スタッフは全員英語可。炭火割烹 白坂(すみびかっぽう しろさか)
東京都港区赤坂6-3-9
TEL:03(5797)7066
営業時間:18時~21時30分(最終入店)
日曜定休、祝日ほか不定休
コース1万2000円~
個室1室 要予約
表示価格は原則として税抜きです。
撮影/阿部 浩 角田 進 取材・文/小松めぐみ
『家庭画報』2019年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。