――ご自身としては、今後どうなっていきたいと?
「確証のない夢はたくさんあります。朝ドラに出るというのも、その一つでしたし。ただ、いつまでにこうなりたいとか、これを成し遂げたいというように、明確なビジョンを持つと、何かゴールを作ってしまうような気がするので、あまり意識しないようにはしています」
――創作や表現活動をするうえで、心がけていることは何でしょう?
「なるべく無理をしないこと、です。自分の体とか頭で生み出せるものには限界があって、それ以上のものを生み出そうとすると、どこかに嘘が入ってしまうような気がするんです。それは音楽をやっているときも、お芝居をするときもそうなんですが、できるだけ背伸びをしないで、ありのままの自分を届けられたらいいなと思っていて」
――そう思うようになったのは、いつ頃ですか?
「ここ1、2年くらいです。若い頃は、めちゃくちゃ背伸びしてましたから(苦笑)。でも長く続けようと思ったら、ずっと背伸びはしていられない。僕も20代の頃は“こういう人になりたいな”という理想像があって、自分にないものを持っている人に、ものすごく憧れたりしていました。だけど、どうやったってその人にはなれないし、もっと言えば、世の中に同じ人は2人は要らない。そのことに気づいてからは、自分ができることを精一杯やって、自分だからこそ目指せる存在に辿り着きたいと思うようになりました。30代になって、たくさんの人といろいろな仕事をしていく中で見つけた、自分なりの一つの答えかもしれないです」
中学からダンスを始め、美術系の高校へ進学。高校3年生のときに観た映画『天使にラブ・ソングを2』に感動して歌手を志すようになったという。