花を贈ることで育まれる夫婦のコミュニケーション
松岡 実は僕、母以外の女性に花を贈ったことがありません。仕事でいただいた花を妻にプレゼントしたことはありますが。
後藤 あははは!(笑)
松岡 なんかこう、格好つけている気がして恥ずかしいといいますか。花の本質をわかっていないからだと思うんです。そんな僕を説得して変えてもらえませんか。
後藤 松岡さんのお仕事は表現が大事ですよね。表現そのものがお仕事ともいえるのではないでしょうか。
松岡 はい、おっしゃるとおりです。
後藤 花も表現のツールなんです。花の種類は切り花だけでも何百種類もあります。その膨大な選択肢から選ぶのは、贈り主である松岡さんですよね。
お相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら、一所懸命選んだ花は松岡さんの気持ちであり、自己表現なわけです。
これから奥さまにお花を贈るとして、1回目は好みのものを選べないかもしれません。でも、自分を思って選んでくれたものなら、奥さまはきっと喜ばれますよね。
松岡 そう願います。
「花を贈ることは自己表現であり、コミュニケーションなのですね」── 松岡さん
後藤 ただ、小言はいわれるかもしれません。「私の好みはね」とか。それで次のとき、その言葉を参考に選ぶと、またちょっと違っちゃうんですが、前よりは好みに近い。そうやってコミュニケーションが積み重なっていくわけです。
松岡 なるほど! “花コミュニケーション”ですね。
後藤 そうです。何年、何十年かかってもいいんですよ。死ぬまでにドンピシャな花が贈れたら。
松岡 勉強になります。