熱が入るにつれ、身振りが大きくなるお2人。対談は緑溢れる空間で感染予防のパーティション越しに行われました。アスリートの心を癒やす国立競技場の遊歩道の花
松岡 花は祭典に欠かせない存在で、東京2020オリンピック・パラリンピックも間違いなく花に彩られたものになります。日本の花を外国の人たちがどう思うか、楽しみですね。
後藤 ええ。私はよく近くを通る国立競技場の植物に注目しています。新しいし、見事です。
松岡 最上階にある1周約850メートルの遊歩道の花や木のことですね。
後藤 そうです。メンテナンスも大変だと思うのですが、きれいに植わっているのが嬉しくて。
松岡 以前、国立競技場の設計に携わった隈(研吾)さんとお話ししたとき、あの植栽は大事に考えているとおっしゃっていました。
後藤 大事にされているのがよくわかります。
全力で戦い抜いたアスリートのみなさんが、ふとした瞬間にあの花を目にしたら、嬉しいだろうなと思いますね。
松岡 同感です。花の力ですね。
後藤 そう思います。張りつめていた選手の心が花を見ることで穏やかになる。それは現在の花の役割にも通じると思っています。
松岡 コロナ禍における花の役割ということですか。