笑顔がチャーミングなリチャードさん。気さくで温かな人柄も素敵。ジョン・トラボルタの主演で大ヒットし、ディスコブームを巻き起こした1977年製作の映画『サタデー・ナイト・フィーバー』。2018年に英国で初演されたその舞台版の来日公演が、いよいよ開幕します。主人公トニーを演じるのは、マシュー・ボーン版『白鳥の湖』来日公演でも主演を務めたリチャード・ウィンザーさん。ダンサーのみならず、俳優としても活躍する才人の素顔に迫ります!
――70年代の映画をミュージカル化した本作品。『サタデー・ナイト・フィーバー』という映画のことは、以前からご存じでしたか?
「知っていました。同じくジョン・トラボルタが主演した『グリース』(1978年)とともに大好きな映画です。特に『サタデー・ナイト・フィーバー』は、僕に“男性ダンサーも映画で主役を張れるんだ!”と認識させてくれた作品。映画『ダーティ・ダンシング』(1987年) のパトリック・スウェイジもそうですけれども、やっぱり憧れを持ちましたね。その後、別のプロダクションがミュージカル化した『サタデー・ナイト・フィーバー』をウエストエンド(英国ロンドン)で観たんです。トニー役は、『グリース』のウエストエンド版でも主演を務めたアダム・ガルシアで、当時15歳だった僕は、その演技とパフォーマンスに圧倒されました」
――では、本作品に出演オファーをもらったときは、さぞ嬉しかったのでは?
「それはもう! ステージにかける情熱や、劇場に満ちているエネルギーがすごく恋しくなっていたので、余計に嬉しかったですね。話をいただいたのが、ちょうど舞台の仕事からしばらく離れて、『ER/緊急救命室』の英国版のような、BBCの医療ドラマに出ていた頃だったので」
――2014年1月から2017年4月にかけて放送された英国BBCの連続TVドラマ『カジュアリティ』ですね。
「ええ、そうです。今回の舞台のプロデューサーのビル・ケンライトが『カジュアリティ』の大ファンで、僕がダンサーでもあることを知って、『サタデー・ナイト・フィーバー』をやってみないか?と声をかけてくれて。自分としては、ただお洒落でファンシーな音楽とダンスのショーにするのではなく、映画の物語性を忠実に生かしつつ、ダンスのエネルギーが詰まったものにしたいとケンライトに伝えたら、彼も同じ考えで、ぜひ一緒にやりましょうということになりました」