今、銀座ではさまざまなジャンルの飲食店で糖質制限への挑戦が始まっています。
前回の「資生堂パーラー」が開発した低糖質ストロベリーパフェに続き、 今回は「銀座 寿司幸本店」の杉山 衞さんが提案する低糖質すし献立をご紹介します。
(左)銀座 寿司幸本店 杉山 衞さん(右)食・楽・健康協会 代表理事 山田 悟先生
「銀座のすしは昔から糖質控えめ。野菜も上手に使いたいですね」
銀座といえば、やはりおすし。しかし、主役がすしめしであることを考えると、ゆるやかとはいえ糖質を制限した献立は難しいのでは?
「昔からある江戸前のすし屋さんは、シャリに砂糖は使わないんですよ。赤酢と塩だけ」と「寿司幸本店」の杉山 衞さん。ファストフードとして発達をとげた江戸のすし。その場で食べるため、保存料としての砂糖は必要なかったという説もあります。
「魚介自体にもうまみや甘みがありますから、すしめしがリッチな味わいである必要もないですしね」。銀座で2番目に古いすし店の三代目主人の言葉に、山田先生も深く頷きます。
女性のかたには一貫10グラム前後で握るというのもいつもと同じ。はまぐりを日本酒ではなく米焼酎で蒸す、造りには塩やオイルを添える、などと微調整はあるものの、今回の低糖質コースは、通常の“ひととおり”とほぼ変わることはありません。
「旬の貝もたっぷりいただけるうえにすしめし80グラムでこれだけ楽しめるなんて!」。目を輝かせる山田先生をさらに感激させたのは杉山さんプロデュースの白ワイン。キレのよい味わいが魚介を引き立てるのはもちろん、糖質オフ、しかも空腹時血糖値を低下させる効果もあり。
「ワインや野菜はお客さまからもご要望の多いアイテム。これからすし屋が生き残るためには“健康”は一つのキーワードだと実感していますし、僕自身のテーマでもあります」。