辰年生まれの時代の顔がまとう “年男年女”の 正月きもの 個性が際立つ晴れ着姿でご登場くださったのは、十二支の中でも架空の動物であり、隆盛の象徴とされる辰(龍)年生まれの皆さん。お仕事にかける思いや原動力、新年の抱負を伺いました。
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山本耕史さん
時代劇で着慣れているだけあって、きもの姿がことのほか絵になる山本耕史さん。
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フォトギャラリーを見る>> 山本さんの清々しさを際立たせる装い。モスグリーンの御召のきものに、きものと濃淡になるように選んだ米沢織の菱立涌文様を織り出した紋御召の羽織を合わせました。仙台平の袴で風格ある準礼装に。きもの・羽織・帯・袴一式/銀座もとじ 男のきもの 履物/銀座ぜん屋本店
「こういう渋い色もいいですね。最近は時代劇が少なくなり、きものを着る機会も減りましたが、日本が世界に誇る文化ですから、大事にしないと。年を重ねるほど思うようになりました」。
そう語る表情に真摯な思いが滲みます。
0歳のときから芸能界で生きてきた山本さんにモチベーションを保つ秘訣を伺うと、「達成感」と「没頭しすぎないこと」というお返事。
「僕のモチベーションは、大きなミッションをクリアしたときの達成感です。長ゼリフを完璧にいえたときの気持ちよさとか。あとは、仕事に没頭しすぎないことで、精神的に追い込まれないようにしています。仕事に対してはわりとドライかもしれません」。
「いちばん幸せなのは、家族のために夕食を作っている時間です」
近年は“筋肉美”でも知られる山本さんは、トレーナーの資格も取得しており、後輩の俳優たちにトレーニング方法を教えることも多いといいます。
「筋トレは、やればやるほど、見た目も、体調も、心の調子もよくなる。長生きするうえで一つも悪いことがないんです。僕は次の辰年が巡ってくる60歳のときも、今の筋肉をキ―プしているつもりです」。
筋トレの伝道師のように語る山本さんですが、一番の幸せは家族と過ごす何気ない休日。
「何が食べたい?と子どもたちに聞いて、たとえばチャーハンといわれたら、チャーシューから手作りします。手早くパパッと作るのも得意ですが、夕食はお酒を片手に、2時間くらいかけて用意するのが好きですね」。
目を細めて話す様子から、山本家の幸せな食卓が浮かびました。
山本耕史(やまもと・こうじ)1976年東京都生まれ。0歳でCMデビュー。1987年の『レ・ミゼラブル』以来、多数のミュージカルに出演。テレビでは1993年のドラマ『ひとつ屋根の下』で注目される。2024年1月8日から音楽と芝居、朗読などを融合させた『ダンディズムバンケット2』の公演を予定。
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