〔特集〕20世紀&21世紀にグルマンを魅了 世界のスーパーシェフ列伝 美食は時代を映す鏡──。フランス料理を起点に、卓越した才能で各時代を牽引したスーパーシェフたちの功績と美食界の進化を辿る旅へとご案内します。
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レネ・レゼピ(1977~)
写真/Amy Tang
北欧の食材と美意識、風土の特色を表す美食を
もともと美食で有名だった地域でなくても、その土地の文化を表現する美食を生み出すことができると証明したのが、デンマーク「ノーマ」のレネ・レゼピだろう。北欧特有の食材や、伝統的な保存食に発酵の技法を組み合わせるなどして、「風土を表現する美食」を生み出した。
「スウェーデン産ホロホロ鶏の塩麹包み焼き、卵と、炭でじっくり焼いた皮」。採集してきた草花や果実は、食べるだけでなく、あしらいや皿としても使われる。
また、プロのスタイリストを起用して、地元のアーティストに依頼して作った食器類をコーディネートし、レストランを「その土地の文化との出会いの場」の体験として表現した。
【主な弟子】
ヒュー・アレン(オーストラリア「ヴュー・ド・モンド」)、サンチアゴ・ラストラ(イギリス「KOL」)
【師匠の横顔】髙橋惇一さんデンマーク「ノーマ」研究開発担当ヘッドシェフ常にどうすれば料理がもっとよくなるかを考えている方。私たち研究開発チームも含め、皆で野山に分け入って採集するのは、インスピレーションの源だといつもいっています。細かい手仕事を大切にしていて、年々料理がより緻密になっていっていると思います。
(次回に続く。
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