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デビュー45周年の竹内まりやさん、待望のアルバム『Precious Days』“かけがえのない日々”に込められた思い

2024.11.08

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デビュー45周年ロングインタビュー「かけがえのない日々」を語る
今の想い、大切なもの

昭和、平成、令和の3時代でアルバム1位を獲得するなど、日本を代表するシンガーソングライターである竹内まりやさん。ファン待望のオリジナル・アルバムがついに発売されました。前作から10年間の日々を振り返りつつ、アーティストとして一人の人間として、今の想いをたっぷりお話しくださいました。

今回のアルバムで歌手の松浦亜弥さん、声優の早見沙織さんに提供した楽曲をセルフカバーするにあたり、お二人それぞれがコーラスとして参加。「曲を介し、皆さんとの心のつながりが程よい距離感で長く続くのは素敵なことだし、本当に有難いですね」と竹内さん。

今回のアルバムで歌手の松浦亜弥さん、声優の早見沙織さんに提供した楽曲をセルフカバーするにあたり、お二人それぞれがコーラスとして参加。「曲を介し、皆さんとの心のつながりが程よい距離感で長く続くのは素敵なことだし、本当に有難いですね」と竹内さん。

竹内まりや
1955年島根県生まれ。シンガーソングライター、作詞・作曲家。1978年11月デビュー。2023年、デビュー45周年を迎えた。2024年10月23日、10年ぶりとなるオリジナル・アルバム『PreciousDays』発売予定。2025年4月から

尊く、かけがえのない日々に想いを寄せて

── 2021年1月号以来となるご登場、ありがとうございます。今日は、2024年10月23日発売のオリジナル・アルバム『Precious Days』への想いをはじめ、いろいろお伺いできればと思います。まず、10年ぶりとなるオリジナル・アルバムのこのタイトルはどのように決められたのでしょう?


竹内さん(以下、竹内) コロナ禍もあったので、ずいぶんお久しぶりになりました。私は、アルバムのタイトルを考えるとき、基本的には全部曲が揃ってから決めるんですね。今回、全18曲なのですが、「Brighten up your day!」、「Smiling Days」、「Days of Love」、「May Each Day」など、並べたら「day」が溜まっていて。それなら〇〇daysがよいと思って、『Precious Days=かけがえのない日々』になりました。

── 「かけがえのない日々」の言葉に込められた想いをお聞かせください。

竹内 コロナ禍や、世界各地での戦争や紛争、自然災害のことを思えば、普通にこうして暮らしている毎日は当たり前でもなんでもなく、本当にありがたいことです。その一日一日の尊さ、二度と取り戻せない小さな日々を大切に味わいながら生きていきたいという想いをタイトルに込めてみました。元々、ハレの日よりケの日を大切にしたい、という主義なんです。ハレの日があるから日常を頑張れるわけですが、お祭りの日は一年を通してそんなには多くない。「やっぱり、ケの日を面白くしてこその人生なのでは?」と昔から考えるタイプだったので、そこに光を当てる曲が多いのかもしれません。

── 今回のアルバムには、同じ1978年デビュー組の杏里さんとのデュエット曲も収録されていますね。

竹内 デビューが一緒だった杏里とは、新人時代から音楽祭や大賞イベントでよく一緒になったんです。それ以来の仲なので、どこか姉妹のような感じかも。彼女は東京とロスに住まいがありますが、お互い、デビューからの周年が同じなので、節目節目に電話でおめでとうを言い合ったり、近況報告をしたり。3年前、嵐の相葉雅紀さんが主演するドラマ『和田家の男たち』の主題歌のお話をいただく直前に、ちょうど電話で「何か一緒に音楽できたらいいね」という話をしていたので、杏里に「一緒にやってみようか?」と声をかけてみたところ「喜んで!」と。その時期、達郎(夫の山下達郎さん)がツアーのため編曲ができないので、それなら、杏里の「悲しみがとまらない」と私の「SEPTEMBER」を作ってくださって私たちとご縁がある林 哲司さんに、作曲と編曲をお願いするのがいいのではないかと閃いて。それで出来上がったのが「Watching Over You」なんです。

── 世界のシティポップ人気を牽引されている御三方ですね。

竹内 シティポップブームは意図して起きたものではないので嬉しくも驚きの現象でした。この3人でのコラボは初めてのことでしたし、楽しかったですね! 杏里ともまた何かやれたらいいね、なんて話していたところです。

── 竹内さんにとって、女友達とはどのような存在ですか?

竹内 同性ならではの連帯意識を共有できる女友達は心強いですよね。深く話し合える何人かの大切な親友がいますが、男性でも女性でも価値観が同じなら、親友と呼べる存在になり得るとも思います。性別を超えて理解し合える稀有な存在。例えば、学生時代にずっと一緒にバンドをやっていた杉 真理(まさみち)さんは、男と女を超越しているんです、完全に(笑)。そんな宝物のような友達に出会えるのは本当に幸運なこと。そして、もちろん達郎は、もはや同志と呼べる大親友です。

── 前回、「最高のパートナーに出会えた幸運は前世でいいことをしたご褒美だと思う」とお話しくださいました。

竹内 そうでしたね(笑)。最も信頼できる存在が、自分のパートナーであり、プロデューサー、アレンジャーであること。しかも夫であり、娘の父親でもあるわけで。出会いのご縁に感謝です。以前、人の前世がわかるとかいうアメリカ人の女性が私を見て、夫の達郎のことも何もまったく知らない人だったのですが、なんと「あなたはこれまでの過去世で、今のご主人と11回結婚していますね。今世で12回目です」って、どんだけ〜?(笑)

── すごいご縁ですね。

竹内 本当かどうかはともかくとして、それもある種のロマンとして捉えていますけど。年齢を重ねるほどに、彼と出会い結婚し、家族を持って本当によかったとしみじみ思います。そうでなければ音楽の仕事だけを追求して終わったかもしれないなと......。お互いに、音楽業界だけにいたら見えなかったことを、家族になって子育てを通じて学び、連帯してさまざまなことを乗り越えてこられたのだと思うから。

撮影/五十嵐隆裕〈SIGNO〉 スタイリング/斉藤伸子 ヘア/松浦美穂〈Twiggy.〉 メイク/COCO〈関川事務所〉 取材・文/小松庸子

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