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春を感じる果実菓子。フレッシュな若い桃の実をまるごとお餅で包んだ「桃若姫」

2025.03.18

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エッセイ連載「和菓子とわたし」

「和菓子とわたし」をテーマに家庭画報ゆかりの方々による書き下ろしのエッセイ企画を連載中。今回は『家庭画報』2025年4月号に掲載された第42回、秋田正紀さんによるエッセイをお楽しみください。


vol. 42 和菓子の源平合戦
文・秋田正紀


春の和菓子というと、多くの方は桜餅を連想されると思いますが、私は真っ先に紅白饅頭を思い出します。

紅白饅頭はこし餡の白饅頭と白餡の紅饅頭の紅白のおめでたい縁起菓子で、別に春に限ったお菓子ではありませんが、子供の頃の入学式や卒業式等で頂いて、家族と一緒に食べた思い出が蘇ってくるからです。私は特に白餡が好きで、白饅頭より紅饅頭を少し大きめに切ってもらうように母に頼んだ記憶があります。

その紅白饅頭の由来を調べてみますと諸説ありますが、紅白は源平合戦の際に
源氏と平家がそれぞれ白と赤の旗印に分かれて戦ったことから来ているそうです。そして古くから赤は、中国ではおめでたい色であるとともに、「赤ちゃん」から生命力の象徴を意味し、一方の白は、死装束の色のように死や別れといった人生の終着点を意味するということから、紅白は「人の一生」を表現しているそうです。

また、なぜ饅頭かというと、饅頭に使用される小豆には、古くから「邪気払い」「厄除け」の効果があると考えられていたと同時に、丸い形は家庭円満を意味し、縁起物でもあったからとのこと。

そんな深い由来があるとは知らずに頂いていた紅白饅頭ですが、最近はお目に
かかる機会がなく、少し寂しい思いです。

私は神戸の近くで育ったこともあり、子供の頃からどちらかというと洋菓子を
食べる機会が多かったのですが、大人になって、テレビドラマの主人公の和菓子職人が、四季折々の自然や素材に合わせて和菓子を必死になって考案する姿を見て、改めて和菓子の素晴らしさに気付き、それ以来、和菓子の持つ意味を考えながら食べるのが楽しみとなりました。

百貨店の食品売場は、今や外国人旅行者にも「デパチカ」で通じる時代ですが、その中でも和菓子はとても人気があり、沢山の方がお土産に買って帰られます。そういう方々に、和菓子がただ美味しいとか美しいということだけでなく、その和菓子の持つ意味や季節感をもっとお伝えすることによって、日本文化への理解をさらに深めて頂きたいと思います。

秋田正紀
松屋取締役会長兼取締役会議長。1958年生まれ、兵庫県出身。東京大学経済学部卒業後、阪急電鉄(現阪急阪神ホールディングス)入社。91年に松屋に入社し、99年に取締役、2005年に専務取締役営業本部長、08年に同代表取締役社長執行役員、23年3月より現職。明治安田生命保険社外取締役を兼職。
宗家 源 吉兆庵
TEL 0120-277-327
https://www.kitchoan.co.jp/
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