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松本幸四郎さん&野﨑洋光さん「食べることもエンターテインメント!」江戸料理の春を愉しむ

2025.02.28

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〔特集〕令和に受け継がれる文化と知恵 ブーム到来、「江戸」の底力 蔦屋重三郎など多士済々だった江戸時代中期から後期は、訪れた外国人も「日本人はよく笑う」と評するほど明るい時代でした。現代の私たちがもっと元気に楽しく過ごせるヒントは、そんな江戸の人々の暮らしにありそうです。芸術や食文化、そして生活の知恵などから、今に通じる江戸の心意気を探っていきます。前回の記事はこちら>>

特集「江戸の底力」の記事一覧はこちら>>>

『鬼平犯科帳』に描かれた時代
江戸料理の春を愉しむ

18世紀後半の江戸の町を舞台に、火付盗賊改方長官・長谷川平蔵、通称・鬼平が活躍する池波正太郎原作の『鬼平犯科帳』。主役を務める松本幸四郎さんと、料理監修の野﨑洋光さんが撮影以来久々に再会。江戸にオマージュを捧げる料理を作って味わいました。

まずは芋酒で乾杯。『鬼平犯科帳』撮影時の打ち上げでも、スタッフみんなで芋酒を楽しまれたとか。

「食べることもエンターテインメント。それは今にも通じますね」── 松本幸四郎さん

松本幸四郎さん(まつもと・こうしろう)

1973年東京都生まれ。1979年三代目松本金太郎を襲名し初舞台。1981年七代目市川染五郎を襲名。2018年十代目松本幸四郎を襲名。古典から新作まで幅広い演目に取り組み、劇団☆新感線の舞台や『鬼平犯科帳』など映像作品でも活躍。

ジャケット54万100円 ニット18万4800円 Tシャツ8万2500円 パンツ16万3900円 チーフ4万4000円/すべてブルネロ クチネリ(ブルネロ クチネリ ジャパン)

「芽吹きの春には美味がいっぱい。江戸っ子も浮き立ちます」── 野﨑洋光さん

野﨑洋光さん(のざき・ひろみつ)

1953年福島県生まれ。1980年「とく山」料理長、1989年「分とく山」総料理長に就任し、日本料理界に新しい風を吹き込む。2023年勇退。各メディアで和食の魅力をわかりやすく伝える一方、地方に根づく味や江戸の料理の研究にも力を入れる。『愛蔵版 野﨑洋光和のおかず決定版』(家庭画報社刊)など著書多数。

天下泰平、食を通じて季節を楽しむ

ふたを開けた瞬間に広がる磯の香り。大ぶりのはまぐりにさざえ、あさりと一面の貝尽くしの光景に、松本幸四郎さんからも思わず歓声が上がります。

「江戸の春といえば、やっぱり貝でしょう。貝尽くしの鍋です。あさりを煮た “深川飯” もおなじみの献立ですよね」と野﨑さん。

当時、さざえやあわびを使った料理の名には「江の島」が冠されることもあったのだとか。

「そういった言葉遊びも私たち日本人らしい楽しみ方。江戸の人々に親近感を覚えますね」(幸四郎さん)。

“女房を質に入れても初がつお” との川柳もあるように、旬の食材をこよなく愛した江戸っ子。

「当時はもちろん冷蔵庫なんてないから(笑)、保存は難しかったし、運搬方法だって限られていた。調味料も味噌類が主体。扱いが楽だしうまみがありますから」(野﨑さん)。

「地元産の新鮮な食材を、限られた条件の中でどうおいしくいただくか、工夫のしどころですね」(幸四郎さん)。

一年を息災に過ごせたからこそ、またこの旬が楽しめる ── そんな喜びも込められていたかもしれません。

「江戸の町で料理が発展したのは、参勤交代などで全国の名産が集まったからともいわれますが、私は遊び人が多かったからじゃないかな、とも思うんですよ」と野﨑さんはにっこり。

撮影/本誌・西山 航 料理/野﨑洋光 スタイリング(料理)/梶井明美 スタイリング(松本幸四郎さん)/川田真梨子 ヘア&メイク(同)/鶴﨑知世〈Cafuu〉 取材・文/露木朋子

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