劇中の食卓にはおいしそうなものがたくさん出てきて、食欲を刺激される。中でも、観賞後に一番食べたくなるのは、きっとおはぎ。「監督の子供やからしゃあないやん」から、保育部へ
本作でユートピアをスクリーンの中に描いたふくだ監督にはもう一つ、別のユートピアを現実の世界に作る野望が。自身の子供を持つことが、その第一歩だと言います。
「とにかく体制を変えたいんです。映画界では、能力のある女性や男性が、子供ができて、子供を育てなきゃいけないから仕事を辞めるということがたくさんあるんです。そんなことをしていたら滅びるぞ、と。それは、自分ごとでもあるんですよね。自分に子供ができたときに、誰が面倒をみるんだろうか……。子供が仕事場にいて、大人たちの中で育つ、大人たちも子供がそこにいることを当たり前に認識している。そういう環境を作りたい」
それを実現するために一番早いのは、「私に子供がいて撮影現場に連れて行く」ことだと言い、それは「“監督の子供やからしゃあないやん”みたいになる」と見越してのこと。
「それによって、撮影部とか演出部とか録音部みたいに保育部っていう、体制をちゃんと作った状態で撮影していきたいですね。男女関係なく、子供がいる人はみんな連れてくればいいよ、面倒見てくれるから大丈夫だよってなれば、仕事もしやすくなるし。今の若い監督、特に女性監督は、変えていこうっていう意識が強いと思います。それは自分が生きていくためもあるけど、それよりも新しい才能たちのためです」
ふくだももこ/Momoko Fukuda
映画監督・小説家
1991年8月4日生まれ、大阪府出身。日本映画学校に学び、卒業制作『グッバイ・マーザー』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014などに入選。2016年には執筆活動も開始し、『えん』で第40回すばる文学賞佳作を受賞する。主な監督作に、映画『父の結婚』、『21世紀の女の子』内『セフレとセックスレス』、ドラマ『深夜のダメ恋図鑑』、『カカフカカ—こじらせ大人のシェアハウス—』など。
『おいしい家族』監督・脚本:ふくだももこ
出演:松本穂香 板尾創路 浜野謙太 笠松 将 モトーラ世理奈 三河悠冴 栁 俊太郎
配給:日活
2019年9月20日(金)全国ロードショー
公式サイト/
https://oishii-movie.jp
© 2019「おいしい家族」製作委員会