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「緑内障」のリスク要因と予防法。簡易検査を過信せず、眼科で検査を

2024.03.14

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緑内障の発見から治療まで
眼科で全8つの検査を受けることが早期発見の鍵

●予防

予防法は見つかっていない。
加齢、近視、遺伝的な体質などがリスクになる。
糖尿病や薬の服用が発症のきっかけになることもある

→初期から中期には自覚症状はほとんどない

●眼科での検査と診察

眼科で緑内障が心配であることを告げて、以下の検査をすべて受ける

通常の診察で行われる検査

・視力検査:近視・遠視・乱視のような屈折異常の有無や程度を調べる

・細隙灯顕微鏡検査:目に光を当てて、結膜、角膜、前房水、虹彩、瞳孔、水晶体などを観察する。特殊なレンズを付けると硝子体や網膜も調べられる

・眼圧検査:目の表面に風を当てる、あるいは麻酔をして測定器具を当てて、眼球内の圧力を調べる

緑内障の診断に必要となる検査

・隅角検査:緑内障のタイプを診断するために重要。
房水の排出口である隅角が狭いか広いか、癒着などがないかを、局所麻酔や角膜保護剤を点眼したうえで隅角鏡で観察する

・眼底検査:目の表面から光を当てて眼底写真を撮影し、網膜の血管や視神経、出血の有無などを調べる

・視野検査:ドーム状の視野計を用いて、大小濃淡の異なる光が見える範囲を測定する

・角膜厚検査:角膜の厚さは眼圧と関連する。
点眼麻酔をした後、超音波を当てて検査する

・OCT検査:光を当てて網膜の断層画像を撮影する。
視神経乳頭や網膜の構造が見える

●ほかの病気の診察時

見えにくい、ぼやけるなどの気になる症状や、ものもらい(麦粒腫)や花粉症など目の別の病気で診察を受けたとき、眼鏡やコンタクトレンズの処方をしてもらうときに上記を調べてもらう

●自治体検診

自治体によっては緑内障検診を行っているが、眼科医の診察はないため、眼科で上記の検査を受けるほうが安心

●健康診断・人間ドック

オプションで眼科系の検査を受けられることがあるが、眼科で上記の検査を受けるほうが安心

→「要精検」と判定されたら、必ず検査を!

●診断

検査で網膜上の視神経が減っている部位が確認され、視野の異常が見られる場合に緑内障と診断される。実際にその部分の隅角が開いているか閉じているかなどによって、緑内障のタイプが決まる

→緑内障にはさまざまなタイプがある。治療法や日常の注意点が異なるため、閉塞隅角緑内障か開放隅角緑内障か、また、緑内障の原因についてよく聞き、自分の緑内障のタイプを把握しておく

進行してから出る症状

・目の前に霧がかかったような、一部がぼやけて、見えない部分がある(視野が欠ける)

・視野が欠けることで、生活に支障が出る

・かなり進行しないと視力は低下しないが、視力が低下した頃には視野はほとんどない

・認知機能が低下する場合がある

●治療

主に2つのタイプがあり、治療方針が異なる

閉塞隅角緑内障
・虹彩を切開して房水の通りをよくするレーザー治療
・隅角を広げるための白内障の手術

→閉塞隅角緑内障ではほかの病気の治療薬で急性発作が起こる場合があるので、薬を処方してもらうときに医師に閉塞隅角タイプの緑内障であることを伝える

開放隅角緑内障
眼圧を下げる効果がある目薬などを点眼
房水の通りをよくするレーザー治療や手術

・連載「サイレントキラーの病に備える」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年03月号

家庭画報 2024年03月号

イラスト/にれいさちこ 取材・文/小島あゆみ

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