連日連夜行われる神事
毎朝行われる十九社祭は、午前10時頃から3人の神職により行われる(本殿での神在祭がある日はその終了後)。高張提灯の二重亀甲剣花菱は出雲大社のご神紋。十九社祭(じゅうくしゃさい)
本殿の東西両脇にある十九社は全国から出雲大社に集まられた神々が休まれる御旅社となります。八百万の神はここから摂社上宮に毎日お出ましになり、神議りをなさるのです。
神々が滞在されているので神在祭の7日間の期間中、19の扉はすべて開かれ、毎朝、十九社祭が行われます。
神々が朝を迎えられた頃、東西の十九社に赴き、献饌をし、祭礼が執り行われます。十九社の前には大勢の人がすでに参集し、笛と太鼓の奏楽の中、神職とともに拝礼し、祈りを捧げます。
左・神前に供えられる祝詞と玉串。右・祭壇に並ぶ山海の幸の神饌。夜神楽(よかぐら)
祝詞奏上ののち神楽が奏され、2人の巫女の神楽舞が奉納される。神楽殿では毎日ご祈祷が行われていますが、神在祭の期間中(神在祭の初日から6日目まで)は、夜神楽特別祈祷が行われます。
午後7時、笛と太鼓の奏楽ののち、神職により願主のさまざまなお願い事が神々にお伝えされます。祝詞の奉上が終わると2人の巫女によって神楽舞が奉仕され、時折神楽鈴の音が殿内に響きます。最後に参列者に向けて鈴を振り、一拝一礼をして終了。なんともゆかしい神楽舞です。参列者はお守りと夜神楽餅を記念に授かります。
神楽殿の神前で人々の願い事を奏上する神職。夜神楽を受けるかたが多いため、すべてを読み上げるまで30 分以上を要する。神々の大社からの出立をお送りする
東西の十九社に滞在された神々は神迎えのときと同じく絹垣に覆われて、出立の祭祀が行われる拝殿に移られる。神等去出祭(からさでさい)
連日行われた神議りがめでたく終わり、いよいよ神々が出雲大社をお立ちになる時が来ました。旧暦10月17日、神々に感謝の祈りを捧げ、ご出立をお見送りする神等去出祭が行われます。
神事が行われる拝殿の周りにはこの日も大勢の参拝者が詰めかけ、神々のご出立を見送ります。
夕刻4時。神職が1列になって拝殿に入ります。太鼓の音とともに神事が始まると、神職がふた手に分かれて本殿の両脇にある東西の十九社に向かいます。そこで神々が宿られた神籬を絹垣で覆い、再び拝殿に戻って遷座していただきます。拝殿の祭壇には2本の神籬と龍蛇神が鎮座され、祝詞が奏上され、神恩に感謝を捧げます。
お立ちの時を告げる神職が本殿前の楼門の扉を3回叩くと同時に「お立ち~、お立ち~」と唱える。これが合図となり、神々は出雲大社から立たれるという。参集した人々は楼門の外の八足門からその様子を拝見することとなる。そののち一人の神職が本殿前の楼門に向かい、「お立ち~、お立ち~」と唱えつつ門の扉を3度叩いて、神々にご出立の時を知らせます。この瞬間に八百万の神は出雲大社を後にされるのです。