神様の約束から生まれた出雲大社。
無辺のご神徳を慕って多くの人が訪れます
出雲大社は一般に「いづもたいしゃ」と呼ばれますが、正しくは「いづもおおやしろ」といいます。明治初期までは杵築大社(きづきおおやしろ)と呼ばれていました。ご祭神は大国主大神で諸縁を結ぶ神として知られます。『古事記』にある国譲りの神話には国つ神・大国主大神が創り上げた国を譲り、天つ神・天照大神の子孫がその地上の国を司ること、代わりに大国主大神は神々の世界を司ることが記されています。その折の約束により壮大な宮が造営されたのが出雲大社の始まりとされます。
縁結絵馬は縁結大祭で授与されるほか、御守授与所でも受けることができる。境内には幾重にも幾段にも絵馬が結びつけられて、願いの成就を待つ。大800円、小500円。右・縁起物の「しあわせの鈴」(大)1500円。小は800円。出雲大社と、天照大神をご祭神とする伊勢神宮は、古代より特別な神社とされてきました。神の世と人の世を治める両社は対立するようでありながら、ご祭神の祖神は同じイザナギノミコトであり、むしろ共存の関係であったといわれます。
出雲大社の獅子頭。正月の除災招福神事の獅子頭をかたどったもので、上下に振るとカスタネットのような音がする。顔の長さ約5センチ、1200円。天照大神の御子の一人は国譲りの約定どおり大国主大神に仕え、その子孫が今も出雲国造を世襲、宮司として祭祀を奉仕します。伊勢神宮でも行われる遷宮は甦りを意味し、出雲大社では60年ごとに行われてきました。平成の大遷宮は平成20(2008)年から11年の歳月をかけて行われました。この遷宮をきっかけに神在祭はもとより、大社への参拝者が格段に増えたといわれます。まさに遷宮による甦りが出現したのです。
出雲大社(いづもおおやしろ)
稲佐の浜での神迎神事に始まり、翌日から神在祭が7日間続く。本殿での神在祭は初日、中日、最終日の3回。
神在祭:旧暦10月10日~17日(2020年11月24日~12月1日)、26日(同12月10日)。旧暦10月10日は神迎祭、26日は第二神等去出祭。
島根県出雲市大社町杵築東195
TEL:0853(53)3100