足の皮膚や爪にも注意を向け、観察してみる
「足の皮膚や爪の状態もよく見てください」と田中先生。例えば、座りっぱなし、立ちっぱなしで足から心臓に血液を戻す静脈のポンプ機能が働かないと静脈壁が膨らみ、下肢静脈瘤ができます。
また、血液やリンパ液の循環が悪いと肥大した脂肪細胞と老廃物のかたまりであるセルライトができやすくなります。
全身の病気や足のケガが足の炎症につながることもあります。特に糖尿病患者は靴ずれや白癬(水虫)などから壊疽(壊疽)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こしやすいため、注意が必要です。
「爪を切るときに皮膚を傷つけ、そこが壊死してしまった方もいます」。巻き爪や爪白癬(爪水虫)による爪の変形が歩行に影響することもあります。
たこやうおのめは足の変形によって同じ部位が常に圧迫されることでできるため、完治には靴の調整や歩き方の改善が欠かせません。
「足は健康診断で調べません。また、残念ながら日本では医師の足に対する関心が低いのが現状です。だからこそご自分でチェックし、ケアする習慣をつけていただきたいのです」
巻き爪を予防する足の爪の切り方
足の先端を保護している足の指の爪は、正しく切らないと巻き爪になることがある。足の爪切りには、厚い爪が切りやすい直線刃のものがよい。爪やすりで先端と角を磨くと靴下などに引っかかって爪が割れたりはがれたりするのを防ぐことができる。爪やすりは、爪の周りの皮膚を傷つけにくいガラス製のものがおすすめ。足に手が届かない、目が見えにくいなどの理由により爪の手入れが困難な場合は皮膚科医やフットケアサロンに相談を。
(1)爪切りで爪の先端だけをまっすぐに切る。深爪にならないよう、爪の白い部分を1~2ミリ残す。切る瞬間に爪切りのそばに指を添えると安定して切りやすい。巻き爪の場合、あるいは目が見えにくい場合には、皮膚を傷つけないよう、爪切りを押すときに爪と皮膚の間を少し開くようにするとよい。
(2)爪の先端と角がなめらかになるように爪やすりで磨く。角は爪やすりを45度くらいの角度で当て、手前から先端に向けて動かす。
(3)爪の先端に爪やすりを当て、一方向に動かす。(1)から(3)によって、爪の形を角の丸い四角形に整える。
足は丁寧に洗って保湿する
足の疾患センターがライオンと共同開発した「フットブラッシュライオンレギュラーブラシ」
足は汗をかきやすいうえ、はき物や床との接触によって汚れやすい。水虫などの皮膚のトラブルの予防や治療のために、足の裏だけでなく、足の指やその間、爪の生え際も泡立てた石けんで丁寧に洗うことを心がけたい。特に足の親指の爪の周囲は汚れがたまりやすいので、山切りの歯ブラシ(ワンタフトブラシ)や写真のような足専用ブラシを使って洗うとよい。足専用ブラシは足に手が届きにくくなった人にもおすすめ。
かかとの角化は強くこすったり削ったりするとかえって進行するため、石けんの泡でやさしく洗い、よくすすいで、乾かないうちに足用クリームやボディローションで保湿する。爪にも爪用オイルなどを塗るとよい。