自分の足で長く歩くために毎日の足のケアを習慣に
靴選びは足のケアの要です。足の指が前に当たらない、かかとが浮かないサイズで、足の甲が前に滑らないデザインの、できればひも靴を選び、履くたびにひもを調節します。扁平足であれば靴に足底板を入れて矯正します。
「年をとったから痛みやむくみ、皮膚のトラブルなどがあるのは当たり前だと思わないでいただきたいですね。足のケアは歯磨きと同じです。まずは虫歯や歯周病の予防のため、そして、治療後も歯磨きを続けますよね。足もセルフケアで痛みやしびれ、むくみなどを防ぎ、必要なら治療を受けて、その後もセルフケアを継続するのが基本です。自分の足で歩き、美しい素足を保つために、顔や歯と同じように足にも愛情を持って接してください」
弾性ストッキングと5本指靴下を日常に
●弾性ストッキング特に座っている、あるいはじっと立っている時間が長い人は足から心臓に血液を戻す働きが低下し、下肢静脈瘤になりやすい。そこで役立つのが弾性ストッキング(圧迫ストッキング)。腹部まで覆うタイプが最も下肢静脈瘤の予防効果が高い。「初めて身につけるなら、1つ上のサイズのものを選び、慣れてからサイズを下げるのがベター。何もつけないよりも下肢静脈瘤の予防になります」と田中先生。弾性ストッキングをはくときやトイレなどでは天然ゴムの手袋でたぐり上げると破れにくく、田中先生は天然ゴムの手袋を持ち歩いているそう。
●5本指靴下かかとで着地し、すべての足の指で蹴り出して前に進むのが正しい歩き方。5本指靴下をはくと、歩行時に隣同士の指が相互に圧迫されることなく、動きやすくなる。シルクのような靴の中で滑りやすい素材ではなく、綿・ナイロン製のような滑りにくい素材がよい。