「生命の謎を探求する基礎研究は私の天職。できるだけ長く続けていきたいと思います」と山中先生。「ビリー・ジョエルの『プレッシャー』を聴くと、よしこい!と逆にファイトが湧いてきます」とお茶目な一面も見せてくださいました。
「生涯を通しての目標は、iPS細胞をさまざまな病気の患者さんに届けること」── 山中先生
米倉 山中先生はどうやって気分転換をし、重圧と向き合われていますか?
山中 ジョギングが大きいですね。僕にとって、ジョギングはいろいろな意味があるんです。走るときには研究のことは考えないのですが、タイムのプレッシャーを楽しむために走っているところもあります。ビリー・ジョエルの「プレッシャー」という曲をご存じですか? 冗談のような本当の話なのですが、実はあの曲を聴くことが1番のプレッシャー解消法なんです。
米倉 本当ですか?(笑)私の場合は踊ったり、体を動かしたりして発散しています。フリーの時間が1時間あったら、「ちょっと踊ってくる!」。仕事と関係のない場所へ行って、関係ない話をするのも気分転換になりますね。
山中 そういうところは本当に外科医の大門未知子にぴったりですね!
米倉 そうですか?
山中 外科医の仕事は失敗が許されないハードな仕事ですから。そのメスさばき一つで、患者さんの生死が分かれることもある。大きなプレッシャーの中、うまく気分転換できるかたが外科医に向いている気がします。
米倉 研究者に必要な素質は何だと思われますか?
山中 忍耐力です。だから、研究者にはマラソンランナーが多いんですよ。
山中先生から見た米倉さんの印象→「大きなプレッシャーにも動じず、わずかな時間でうまく気分転換をなさる姿はまさに“ドクターX”。世界でも間違いなく活躍できます!」
●米倉さんがコロナ禍で始めたこと
「とにかく除菌! 見えるところに消毒液を置いてまめにつけています。オンラインも増えました。『CHICAGO』の演出家が企画した、世界各国を繫ぐオンラインイベントも楽しかったです」